ケーススタディ / 風力タービンの音響調整

フランス南西部の町を見下ろす風力タービン FT742DM-50超音波風センサー

背景

Spica Technologyは、性能や稼働率を最適化するためのソフトウェアや電子機器を開発し、新規および既存の風力タービンに設置しています。 1997年に設立され、デンマークを拠点とする同社は、世界中の風力タービンメーカー、電力会社、風力発電所事業者や所有者と密接に連携しています。 サプライヤー、サービスプロバイダー、資産家、電力会社と協力して、Spica Technologyのサービスと後付け改造製品は、古い風力タービンの寿命を延ばし、高性能を維持し、保守コストを抑えます。

Spica Technologyのクライアントの一人であるフランスの風力発電所の所有者は、フランス南西部の町を見下ろす場所に、15年前のNordex N60 1.3MW風力タービンを9基設置していました。

所有者は、地元の町と協定を結び、特定の風向きの時にはタービンを停止して騒音を最小限に抑えるようにしていました。 町は、風力発電所の所有者に対して、タービンが停止している間の発電量の損失を補償することに同意していました。

しかし実際には、失われた発電の費用は、当初計算されていた補償金よりも多かったのです。 風力タービンはとても古く、風速と風向の読み取りに機械式風向計を使用してました。そのため、風力タービンを停止して再び起動させるという一連の作業は非効率的で費用もかかるものでした。

風力タービンの停止時期の判断は、リアルタイムのデータではなく、天気予報に基づいて行われていました。 そのため、風向きが予測と違ったり、予測よりも早く変化した場合には、再度風力タービンのスイッチを入れる必要がありました。 しかし、このプロセスは完全に手動で、実行には時間がかかりました。

所有者は、風力タービンのダウンタイムを低減するために、これらの判断をするより良い方法を必要としていました。 課された制限にできるだけ近い形で自動的にタービンを停止し再起動させるには、風速と風向のデータをリアルタイムでコントローラに送る必要がありました。

フランスの風力タービンの被雷輪内に取り付けられているFT742-DM50超音波風センサープロジェクト

2020年9月、Spica Technologyは、風力タービン1基につき二台のFT742-DM50超音波風速センサーとともに、後付けのコントローラを設置しました。

FT742-DM50センサーからのリアルタイムデータをもとに、個々の風力タービンをその独自の音響計画に合わせてプログラムしました。 各風力タービンのコントローラは、特定の条件で自動的に風力タービンを停止します。しかし、その後、可能な限りすぐに風力タービンを再起動させ、手動操作は必要ありません。

この風力発電所の所有者は、所有する風力タービンの稼働率を高めることができ、手動操作やサービスにかかる費用を削減しています。 優れた耐腐食性と耐雷性を備えたFT742-DM50センサーは、古い風力タービンをより長く信頼できる状態に保つことができます。

結論

“このプロジェクトは完全な成功を収めました。 コントローラーやリモートアクセスなど、様々な要素が合わさって可用性が向上したのです。 そして、新しいFTセンサーは、このソリューションの一部でした。

常に最高の技術をお客様に提供することは、Spica TechnologyのDNAの一部です。 風センサーということでは、FTセンサーが風力タービン向けの市場で最も優れた製品であると考えています。 そのため、当社はFTと提携し、同社のセンサーを後付け改造することにしました。

古いセンサーを交換する必要があれば、FTが提供する新しい技術を採用するのは当然のことだと思います。

FTは、非常に高い品質を提供する会社として、風力発電業界では認識されています。 弊社のお客様は、FTが信頼に足りる会社であることをすでにご存じなので、FTセンサー使用の決定を正当化する必要さえありません。 車を買ってミシュランのタイヤが付いていたら、「いいね」と言ってしまうようなものです。 質問がないのは、そのブランドをご存じで尊敬しているからです。 FTも同じことです。”

Benny Thomsen
最高経営責任者
Spica Technology ApS

“実際、10年以上風力タービンに取り付けられているFTセンサーを見かけることがありますが、そんなに長い間風力タービンの上に置かれていたとは思えないほど良好な状態であることに驚いています。

また、寒冷地に風力タービンを設置しているお客様には、FTセンサーが最適と考えています。 加熱システムが充実しているので、風力タービン事業者への可用性が格段に向上しました。

FT742-DM50は素晴らしい新型モデルです。 レーザーツールを使って簡単に位置合わせでき、一度取り付ければ、交換しても常に位置合わせができています。

Anders B. Jensen
最高技術責任者
Spica Technology ApS

使用製品:

FT742-DM50風センサーは、外径50mmのパイプに直接取り付けでき、最大75m/sの風速を読み取ることができます。 DM50は、優れた耐食性と耐雷性を備えているため、風力タービンや幅広い気象用途に最適です。 位置合わせを容易にするために、DM50は当社のFT039アライメント・カラーと FT040位置合わせ工具を使って取り付けることができます。

フランスの風力タービンの被雷輪内に取り付けられているFT742-DM50超音波風センサー
位置合わせカラーとレーザー位置合わせ工具を使用して風力タービン上に取り付けられたFT742-DM50超音波風センサー